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2013/05/18

ケーナ奏法研究 番外編 -フラウタの吹き方-

このブログでは主にケーナの奏法を気が向いたときに記事にしていますが、今回は番外編ということで少し変り種の楽器の吹き方を紹介してみようと思います。

今回紹介する楽器は、ボリビア東部地方の楽曲で使用されるフラウタ(Flauta)もしくはピファノ(Pifano)という楽器です。
フタウタのスペイン語表記からも分かる通り、フルートのような横笛で、主にボリビア東部の低地の音楽で使われます。

近年Musica de MaestrosやMAYAがこの楽器を使用しているため、ご存知の方が増えてきたのではないかと思います。

このブログにフラウタ・オリエンタルで検索していらした方がいたので、これは書かねばなるまいと思った次第です。
ということで、簡単にですがフラウタの特徴と吹き方について解説して行きます。


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フラウタの特徴

ボリビア東部で発展したTaquirari,Carnaval,Chovenaといったリズムの楽曲で使用されることが多いように見受けられます。
しかしながら、高原地域などで作曲されたこれらリズムの曲にフラウタを使うということはあまりないようで、
ケーナで演奏されているところがほとんどの様です。

管の長さなどは、ケーナほとんど同じです。管の太さは細身のものが多いです。
一般的に調性はケーナと同じG調で調律されています。

さて、この楽器のケーナとの相違点を書いておきます。

1.横笛である。
ケーナとの一番の相違点はここです。歌口もフルートと同じ(ただしマウスパットは無いものが多い)です。
したがって吹き方もフルートに近くなります。

2.裏穴がない。
表の穴はケーナと同じ、6つ(+吹き口)ですが、裏穴はありません。
伝統的な作りでは裏穴がありませんが、近年は調律を重視するために裏穴をあけている物もあるようです。

材質に関しては、ケーナと同じく竹で出来たもの、木でできたものがあります。
私が使用しているのはモラリージョ材のフラウタです。

3.音質の違い
ケーナと違い片方の端が閉じています。また裏穴も無いためケーナより若干こもった音質になり易いように感じます。
楽器の作りとして土着音楽で使用される物と殆ど変わらない(調律が正確である位の差しかない)ため、音質もやや土臭い感じになります。

持ち方

フルートと同じ持ち方になります。左手で歌口側の3つの穴を押さえ、右手で残りの穴を押さえます。
左利きの場合は持ち方を逆にすると演奏し易いかと思います。

吹き方

基本の吹き方はケーナと同じです。
唇の形もケーナと同じく軽く横に引っぱり唇の中央から息を出します。
吹き口に息を当てるポイントはケーナと微妙に異なります。やや顎を引き目にして歌口の横から息を入れるようにします。

ケーナと違い息を当てるポイントがズレると音程や音量にかなりバラツキが出てきますので、色々試行錯誤しながらちゃんと音が出るポイントを探すと良いでしょう。

運指

G調で調整されているものであれば、運指もケーナと同じです。
裏穴が開いていないので、一部の音についてはケーナと同じではありません。

裏穴があいていないので全開だとFis(ファ#)になってしまいます。
G(ソ)の音はを出すには穴を全て押さえなくてはいけません。

また、高音域になるとケーナと同じ運指では音程が安定しない事が多くなってくるので、多少運指を工夫しなくてはなりません。

タンギングなど

タンギングはケーナと同じように使う事が出来ます。
ボリビア東部のフラウタが使われる曲では、タンギングをあまり使用しない吹き方をされる事が多いようです。

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簡単ですが、フラウタの楽器とその奏法についてでした。また気がついたことがあれば随時追記して行きます。

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