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2007/06/08

ケーナ奏法研究 -Vol.2 基礎編《2》ケーナの持ち方-

今回の記事はケーナの持ち方です。

ケーナの持ち方には、一般に『ボリビアスタイル(3・3)』と『アルゼンチンスタイル(2・4)』の二つのパターンがあります。(これ以外の持ち方をしている人は見たことがありません。)
どちらの持ち方にもメリット・デメリットがありますが、どちらでもあまり変わりはありません。

基本は、無駄な力をいれず軽く穴を押さえること。穴は指の腹の部分で押さえます。
しかし、ケーナの管が太かったり、指穴が大きかったりする場合は、女性や手の小さい人は、ちゃんと穴をふさぐことができない場合があります。
その場合は、押さえる部分を指の腹ではなく、第一関節のあたりで押さえるといいでしょう。

特にボリビア製ケーナは管が太く、指穴も大きい傾向があるので、関節辺りで押さえる方法は効果的です。


次に各スタイルでの持ち方を紹介しています。
一応右利きの人向けに書いています。左利きの人は手を逆にするとやりやすいと思います。

ボリビアスタイル(3・3)

左手の親指で裏穴、人差し指・中指・薬指で上三つの穴を押さえます。
小指は薬指の隣に軽く添えるか、裏側にまわします。

右手の人差し指・中指・薬指で残りの穴を押さえます。親指は裏側にまわします。
とここまで書いて、実はリコーダーとまったく同じ押さえ方だったりします。

ケーナは唇と右手親指で主に支えます。

アルゼンチンスタイル(2・4)

左手の親指で裏穴、人差し指・中指で上の二つの穴を押さえ、右手の三本で一番下の穴以外を押さえます。
一番下の穴は右手の小指で押さえます。

ケーナは、唇と左手薬指・右手親指の3点で支える事になります。

二つの方法の違い

ボリビアスタイルの特徴は最低音の「ソ」や「ソ」、四倍音の「ド」の運指を押さえやすいというメリットがあります。
右利きの場合は左の薬指の反応がやや遅いという事がデメリットと言えますが、練習すれば解消することができます。

ボリビアの曲はいろいろな音域・調性で演奏されるので、半音や高音域の音をスムーズに出せる必要があります。そのため、全ての音を出せるような運指になっています。


アルゼンチンスタイルではボリビアスタイルに比べ、左薬指を使わないので薬指の動きの遅さをカバーすることがメリットと言えます。しかし、一番下の穴を主に小指で押さえるために、最低音の「ソ」・「ソ」、四倍音の「ド」などが押さえづらいことがデメリットといえるでしょう。

人によってはこのデメリットをカバーするため、演奏中これらの音を出す際にボリビアスタイル(3・3)にスイッチする演奏者もいます(Raul Olarteが有名)。

どちらのスタイルにもデメリットがありますが、練習や方法を工夫することによってそれをカバーすることができます。

なので、どちらのスタイルが良い・優れているということは一括りに言うことはできません。

自分のやりやすいスタイルを選ぶ。

これが一番です。

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